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共通科目


齋藤 仁 (さいとう ひとし)  講師   主要担当:地理学、自然地理学

研究テーマ その他担当科目
湿潤変動帯における斜面崩壊の発生と地形・地質、降水量とに関する地理情報学的研究 人間と環境 [災害と都市]
ゼミナール
研究内容

 いつ,どこで、どのような規模の斜面崩壊が発生するかを予測するための基礎研究として,地理情報学的な解析により,日本列島における斜面崩壊の発生と地形・地質(素因)および降雨イベント(誘因)との関係を広域的に研究しています.以下に、紹介します。

 ● 赤石山脈を対象に1992〜2002年に発生した斜面崩壊を教師データとして,Decision-tree modelを用いて斜面崩壊が発生しやすい流域を推定しました.2002〜2004年について検証したところ,これらの流域の多くで実際に斜面崩壊が発生していることが示されました(Saito et al., 2009, Geomorphology).

 ● 2006〜2008年の日本全国を対象に,斜面崩壊発生時の降雨継続時間と平均雨量強度との関係について調べました.世界の他地域で行われた研究と比較した結果,日本では平均雨量強度が小さい降雨でも斜面崩壊が起こりうることが明らかになりました(Saito et al., 2010a, Geomorphology).

 ● 斜面崩壊を発生させる降雨イベントが短時間集中型(SH型)と長時間継続型(LL型)に分けられることを,基準化土壌雨量指数(NSWI)を用いて示しました.SH型では短時間の強雨により, LL型では長時間の降雨でSWIが緩やかに高まった後の強雨により,それぞれ斜面崩壊が発生していることが明らかになりました(Saito et al., 2010b, SOLA).

 ● 斜面崩壊を発生させる降雨イベントのリアルタイムモニタリングシステム(SWING system)を構築しました.このシステムでは,毎正時の解析雨量とSWIを用いて,現在の降雨イベントをSH型またはLL型に分類します.SWING systemを用いて 2010年以降に発生した土砂災害をモニタリングしたところ, 降雨イベントの特徴を事前に把握できていました(齋藤ほか, 2011, GIS−理論と応用).

 ● 2011年台風12号は,紀伊半島において甚大な土砂災害をもたらしました.NSWIと呼ばれる指標を用いて解析したところ,NSWIが高かった場所ほど斜面崩壊が多く発生していたことが明らかになりました.斜面崩壊の発生を予測する際に、累積雨量や最大1時間雨量といった降雨量の絶対値よりも,NSWIのような過去の記録と比較した相対値を用いる方が重要であることを示しました(Saito and Matsuyama, 2012, SOLA).
ゼミテーマ
 近年,ユネスコ世界遺産やジオパークといった,地域の自然や文化への注目が高まっています.また,東北地方太平洋沖地震や紀伊半島での水害・土砂災害など,日本列島ではこれまでに多数の自然災害が発生しました.日本列島に暮らす私たちは,地域の自然や文化,その歴史的背景などについて正しく理解し,科学的に洞察することが重要と言えます.本ゼミでは,地理学や地理情報学的手法を用いて,地域の自然や文化について様々な視点から研究します.
趣味   研究室
アウトドアスポーツ 7号館611号室
ホームページアドレス
http://www.csis.u-tokyo.ac.jp/~saito/
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